インセンティブ設計とは【インセンティブ設計の方法や3つの注意点などを解説します】

記事更新日:2024年03月11日 初回公開日:2024年03月11日

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終身雇用制度が崩壊し成果主義に変革する企業も増える中で、特別な成果に対する報酬であるインセンティブを利用した制度が注目されています。その「インセンティブ設計」とは、損得に対する感情を利用して人を誘導することです。ときにはマイナスになることも個人の行動を誘発することになり、それら全てを工夫して仕組みをつくることが「インセンティブ設計」になります。ここでは、「インセンティブ設計」と「インセンティブ」の意味から、制度の導入の仕方や注意点までを詳しく解説いたします。最後には制度を導入した事例も紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。

インセンティブ設計とは

損得に対する感情を利用して人の行動を特定の方向に導く工夫のこと

インセンティブ設計とは、損得に対する感情を利用して人の行動を特定の方向に導く工夫のことです。損得とは金銭だけでなく射幸心をあおる特典や、損に値するペナルティもインセンティブであり、これらを戦略的に使うことで利用者の行動を一定の方向に誘導します。たとえば、SNSなどで他から共感を得ることや、オンラインゲームではランクアップすることで満足感を与えることなどで動機づけをします。それによって利用頻度を増やしたり課金させてお金を使ってもらったりするように行動を促す工夫が、インセンティブ設計です。

インセンティブとは

成果や行動を促すための動機づけのこと

インセンティブとは、成果や行動を促すための動機づけのことです。ビジネスにおけるインセンティブとは仕事の成果への報酬を意味しますが、金銭に限るものではありません。後述するように報奨金や賞品などの物欲を満たすものだけでなく、本人がやる気をおこさせるための外的な刺激となるもの全般をインセンティブと呼びます。また、単なる報酬とインセンティブは異なるもので、成果により増減される成果報酬がインセンティブにあたり、普通に支給される報酬に上乗せされる部分を指す言葉です。

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インセンティブの種類

金銭的インセンティブ

インセンティブには多くの種類があり、最も分かりやすく代表されるのが「金銭」と金銭と同等の価値を持つ「モノ」になります。これらを総称して「金銭的インセンティブ」と呼び、ビジネスなどで最も多く利用されるインセンティブです。商品券やプリペイドカードなどのような換金できるようなものから、高価な生活用品や旅行などを成果報酬として支給することもあります。これらは一般にもらう給与などに上乗せされる、一定の成果に対する特別な報酬です。

評価的インセンティブ

ビジネスにおける評価的インセンティブは、社員にとっては強い刺激となるもので、社員のモチベーション向上に大きく貢献します。また、自分を高く評価してくれることは人間の持つ欲求の中でも高次元の承認欲求を満たすことになり、評価してくれる会社に愛着が湧き、離職を防ぐことにもなるでしょう。なお、評価的インセンティブとは、単に社員を称賛すること以外に、昇格または何かしらのポジションを付与することなども含むものです。

人的インセンティブ

人的インセンティブとは、この人のために懸命に働きたいなどと思う意識のことで、周囲にいる特定の人物に尊敬や憧れの念を抱き働く意欲を刺激するものです。とくに同じ職場や部署内に尊敬する上司や先輩がいる場合には、同じ部署やグループに属することに心地よさを感じることができます。人的インセンティブは人間関係を円滑に行うためにも重要であり、自分が上司や先輩になったときに後輩や部下から尊敬される存在になれるように、日々努力したいものです。

理念的インセンティブ

理念的インセンティブとは同じ考え方や目標および価値観を持つことで、共感することが刺激となり仕事などへの貢献意欲を増加させるものです。とくに企業が掲げる企業理念に共感を得ることができれば、会社が理想とするビジョンを理解し、使命感と責任感を持って仕事に臨んでくれるでしょう。共通の理念を持つことで、企業全体の一体感が高まるとともに目標達成に早く近づくことができます。理念的インセンティブで得られる満足感は、金銭的なインセンティブでは得られないものです。

自己実現的インセンティブ

自己実現的インセンティブとは、自分が理想とする将来のビジョンを掲げることによって明確な目標や目的を持ち、積極的な行動の動機づけとするインセンティブです。仕事を通じて自分の夢や希望を叶えようと考えることも多く、人間の欲求の中でも最も高次元とされる「自己実現の欲求」を満たすことを最終目標とします。そして社員は会社や社会に貢献しているという満足感を得ることになり、さらに高い目標を設定し、新しいことへ果敢に挑戦する精神も育むことができるでしょう。

インセンティブ設計の方法

対象者を決める

インセンティブ設計で最初に行うのは、対象者を決めることです。まず、対象者を個人にするか部署などのグループ単位にするかを決定します。また、このときに役職者も対象者に含めるか、含めるとすれば役職者全員なのか、管理職以下に限定するかなども具体的に決めましょう。インセンティブ設計を行う目的を参加者に示すためにも、対象者を明確にすることは重要になります。どんな人たちに積極的な行動を促したいのかを考えれば、答えは簡単に分かるはずです。

条件を設定する

対象者を決定したら、次はインセンティブ付与の条件を設定します。インセンティブ付与の条件は、会社が抱える課題や掲げる目標などと合わせて考える方が、より実戦的であり有効です。条件の例に「目標達成」や「契約獲得ナンバー1」などが挙げられます。前者は自分で掲げた目標や企業が課する個々やグループのノルマです。後者は他人との比較により優劣をつけ、優秀であった人のみに限定されます。インセンティブの付与では、後者の一部のみに与える条件よりも、努力した全ての人に与えられる条件の方が理想です。

内容を決める

インセンティブ設計にあたり、最も重要と言えるのが、何をどの程度付与するかという内容です。前述のようにインセンティブには金銭やモノ以外にも多くの種類があります。大切なのは、従業員のニーズを満たすものであり、企業が提供できうる有形無形の感謝を表す証しになるものです。また、金銭やモノであれば、与える量を決める必要があります。金銭であれば金額はどの程度なのか、昇給であれば具体的にどのような役職を与えるかなど、成果や貢献度に応じて内容を変えることが必要です。

付与する方法を決定する

付与する内容を決めるとともに、付与する方法も併せて決定する必要があります。金銭であれば支払いの期日です。条件達成と同時に付与されるのか、給与やボーナスなどに組み込まれて支給されるのかも具体的に決定します。また、昇給であればいつ辞令交付されるのか、社内での評価を与えるのであれば、それなりの場所と時間を設けてきちんと表彰すべきです。他にも、旅行などを提供する場合には家族も含む条件として、休暇も一緒に与えるなどの工夫も必要となります。こうしたモノも社内での表彰式などを設けて、目録で付与するなどと具体的に決定しましょう。

インセンティブ設計における3つの注意点

数値や成績以外の付与条件を設ける

インセンティブ設計では、数値や成績以外の付与条件を設けることも重要です。営業では実際に販売できた数字に注目される事が多く、生成期による付与条件ではベテラン社員などの顧客を多く抱える人が有利となります。これでは付与条件をクリアする人が限定され、インセンティブ本来の効果は期待できません。全ての社員を同じ土俵で競わせるのではなく、勤続年数や過去の実績などに鑑みて付与条件を柔軟に変更するのが良いでしょう。また人事部門などの定数評価が難しい部署については、数値以外での適正な評価基準が必要です。事前に細かく決定し、社員にもきちんと通知してください。

インセンティブの意味を履き違えないようにする

インセンティブの意味を履き違えることは、インセンティブの効果を発揮しないだけでなく、従業員のモチベーションを低下させることにもなるため注意しなければいけません。企業から見た「インセンティブを与えるから成果を出して欲しい」ということや、社員の「インセンティブがもらえるから懸命に働く」というのは間違った考え方になります。インセンティブの持つ本来の意味は、社員の「外発的動機」を刺激することにより、積極的に働きたいという意欲を掻き立てることです。インセンティブの意味を十分に理解しなければ、内発的動機さえも控えさせることになるため十分に注意しましょう。

導入後はインセンティブの貢献度を分析する

インセンティブ設計を導入し、制度を実施したあとには、インセンティブ導入による貢献度を分析することが肝要です。インセンティブの付与を受けた社員が、その後にどのような活躍をみせるのか、制度の効果を観察するようにしましょう。また社員の反応や要望なども調査し、変更すべきことがあれば採用し、社員のニーズや効果などによって変化を加えてください。インセンティブ制度がマンネリ化するにつれて、効果は薄れていきます。従業員にとって魅力的な満足度を満たし、個々と企業が成長できる仕組み作りを心がけるように、制度導入後も努力を続けましょう。

インセンティブ設計の具体例

株式会社メルカリ

フリーマーケット事業で躍進を続ける株式会社メルカリでは、独自のインセンティブポイント制度である「mertip・メルチップ」を導入しています。これは近年注目されている「ピアボーナス」と呼ばれるものです。社員同士で感謝の気持ちを伝えるときや、相手を称賛する際に自分から相手にポイントを送るという、新しいかたちのインセンティブになります。社員同士がお互いを評価する制度であり、普段は離れた職場にあってもお互いが「見てくれる」「見られている」と思って仕事をすることで、刺激を受け合う制度です。制度は好評で、87%の従業員から満足であると評価されています。

株式会社ソラスト

保育や介護福祉サービスを提供する株式会社ソラストでは、インセンティブ制度を導入することで、従業員の働きやすさの向上を目指しています。同社独自の「ソラストポイント」を導入し、長期勤続や予算達成などに合わせて、ポイントが付与される仕組みです。また日常業務においても、アイデアの提案やヒヤリハットによる危機回避の意見提出などにより、ポイントが付与されます。インセンティブ制度の導入により、離職率が40%を超えるものであったのが、制度導入後は離職率が10%を下回っており、人材確保に大きく貢献している好事例です。

サントリーホールディングス株式会社

サントリーホールディングス株式会社では、社員のボランティア活動推進のためにインセンティブ制度を導入した珍しい例です。企業で掲げる「人と自然と響きあう」という理念のもと、サントリーでは、社員がボランティアに参加するとポイントがもらえるという仕組みを作りました。このポイント制度の導入により、社員の社会貢献への意識が高まり、同社のボランティア参加者数は通常の4倍にまで増えたということです。また、同じボランティアに参加することで、それまで接点のなかった従業員同士でコミュニケーションをとる良い機会となっているとの報告もされています。

まとめ

インセンティブ設計をして社員のモチベーション向上に繋げよう

インセンティブ設計とは単に頑張った人がもらえる報酬制度と考えがちですが、ここまでに解説したように多様な種類があり、多様な行動の動機づけに有効な制度です。企業では外発的な動機づけのためにインセンティブ設計を行いますが、根底にある基本をはき違えてしまうと、人間が自ら働こうという意識まで損なうことにも成り兼ねません。また、個々が求めるインセンティブは、欲求の段階説のように、年齢や個々の価値観などによって異なるものです。個人や企業に合わせたインセンティブ設計を考え、社員のモチベーション向上に繋げてください。

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