インポスター症候群とは【インポスター症候群に陥る原因や特徴、治し方についてわかりやすく解説します】

記事更新日:2024年03月05日 初回公開日:2024年02月26日

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しっかりとした実績や実力を持っており、それに基づいた評価をされているにも関わらず中々自信が持てないという人は少なくありません。自分のキャリアに自信が持てず、周りの人からの評価を気にしすぎてネガティブな感情に陥ってしまっている人が職場にもいるのではないでしょうか。こういった心理現象はインポスター症候群と呼ばれており、日本では特に女性に多いとされています。インポスター症候群について解説していきますので、インポスター症候群を知りたい人は参考にしてみてください。

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インポスター症候群とは

自分の能力や実績を認められない状態

インポスター症候群とは、自分の能力や実績を認められない状態です。仕事やプライベートを問わずに成功していても、「今の状況があるのは運がよかっただけ」「周りのサポートがあったからに過ぎない」などと考え自分の力を信じられない心理状況の事です。インポスターとは、英語で詐欺師や偽物という意味があります。インポスター症候群の人は自分には能力があるかのように周囲の人を騙しているという感覚に陥っています。インポスター症候群の人は自己評価が極端に低い場合が殆どです。

日本では女性が陥りやすい

インポスター症候群は、日本では女性が陥りやすい傾向にあります。男女平等とはいうものの、男性が主導的な役割を持っている職場や社会において女性はまだまだ少数派であることから自分はふさわしくないという考えに陥ってしまうからです。これには性差に基づく認識の違いも影響しているとされており、女性は男性よりも自己肯定感が低いと言われています。心理的現象ではありますが、人によっては心身の負荷が大きくなり仕事や生活に支障をきたしてしまうかもしれません。

インポスター症候群の人の特徴

挑戦を避ける傾向がある

インポスター症候群の人の特徴は、挑戦を避ける傾向があることです。インポスター症候群の人は自分に自信がない人が殆どのため、自分の成功は周りの人を騙していると感じてしまい、上司や同僚から期待されていても応えることが出来ないと考えます。更に周囲を騙しているという事実が発覚してしまうのを恐れていることから、失敗も過度に恐れる傾向にあります。失敗のリスクを恐れるため、失敗するのは仕方なかったと言えるように事前準備を行わないリスクも出てきます。

他人と比較して自己評価を下げる

インポスター症候群の人は、他人と比較して自己評価を下げています。インポスター症候群の人は周りの人のおかげで自分の成功があると考えているため、実際に本人に実力があったとしても自信に繋げる事が出来ません。また常に周りの人を意識してしまっており、他人と比べて自分の評価が低いと感じてしまいます。結果として行き過ぎた謙遜から自己評価が低くなり、他人から評価を受けても更に自分を卑下してしまうなどインポスター症候群が益々深刻化します。

成功することに不安感を持つ

成功することに不安感を持つのも、インポスター症候群の人の特徴です。実力を持っているからこそ成功に繋がるのですが、インポスター症候群の人は評価されていることが実力ではなく運や周りの力だと思い込んでいます。そういった自己肯定感の低さから成功を続けた場合に、自分の自己評価と周りからの評価の差に悩むようになってしまいます。悪化していくと、自分が変化しないと考え新しいことに挑戦する事自体がストレスに直結していきます。

インポスター症候群に女性がなりやすい理由

女性が社会進出している

インポスター症候群に女性がなりやすいのは、女性の社会進出が進んでいるからです。総務省が行っている労働力調査で2022年の女性の労働力人口は3057万人と発表され、全体比率の約45%とほぼ半分に近い数値になっています。これだけ女性の社会進出が進んでいても、依然として社会において女性の地位は低いままです。2020年の非正規雇用の女性の割合は約55%と男性の2倍以上という結果になっています。正社員が少なく女性全体の評価が低いことが、インポスター症候群に繋がっています。

女性だから優遇されたと考える

インポスター症候群は女性だから優遇されたと考えてしまうため、女性がなりやすくなっています。社会全体として男性より評価されていない現実がある反面、女性だから優遇された・女性だから少ない成功でも評価されると思い込んでいる人も少なくありません。もし自分が男性の立場だとしたら、今と同じ評価を受けることは出来ないだろうという考えから、女性だから優遇されていると思い込みインポスター症候群が悪化してしまいます。

社内にロールモデルが少ない

社内に女性が活躍しているロールモデルが少ない事も、女性がインポスター症候群になりやすい原因です。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、民間企業において女性が部長職に就いている割合は約9%、課長職でも約12%と大変低い結果になっています。結果として女性の低い現状において、役職についている女性も少ないためスキルも実績もないと思い込んでいる女性は、成功する自分をイメージすることが出来ずに自信を喪失してしまいます。

インポスター症候群になる原因

周りからの評価を過度に気にする

インポスター症候群になる原因は、周りからの評価を過度に気にしているからです。自分が上司から評価されていることに対して、同僚はどう思っているだろうなど周囲からの評価を必要以上に気にしてしまう人は、インポスター症候群になりやすいといえます。スキルが無いと思っていることから、今の実力で昇格してしまうと周りから嫌われるのではないかという思い込みが強くなってしまいます。失敗してしまうと、その期待に沿えなくなるというストレスも抱えています。

責任感が強すぎる

インポスター症候群になる人は、責任感が強すぎる傾向にあります。周囲からの期待を少しでも感じてしまうと、失敗できないという強いプレッシャーを感じてしまいやすいことから褒められたり高い評価をもらう事を嫌う傾向にあります。周囲の人は励ましや応援として掛けた言葉でも、インポスター症候群の人にとっては期待されていると強く感じてしまいます。また責任感が強すぎる事から、常に完璧にやらないと評価されないと思い込んでしまっている事も少なくありません。

自己肯定感が育まれない家庭環境だった

自己肯定感が育まれない家庭環境だった場合も、インポスター症候群になりやすくなっています。幼少期に何をしても褒めてもらえず、否定ばかりされていた環境では自己肯定感が生まれず常に自分を否定してしまう大人が完成します。幼少期の家庭環境もインポスター症候群に陥ってしまう原因の一つです。また幼少期に他の兄弟と比べられてばかりだった場合も、褒めてもらう事が少ないため自己肯定感が生まれずインポスター症候群に繋がっていきます。

インポスター症候群の克服方法

目の前のことに集中するよう心がける

インポスター症候群の克服する方法は、目の前の事に集中するよう心がける事です。インポスター症候群の人は、ネガティブな考えに縛られやすく未来に対して不安を抱いてしまいがちです。将来について考える事は大切ですが、ネガティブな考えにばかり捉われてしまうと心身にストレスとなり目の前の事に集中出来なくなってしまいます。仕事やプライベートを問わず、まずは目の前の事に集中して周りの評価や将来の不安などはなるべくシャットアウトするようにしましょう。

完璧を求めないようにする

インポスター症候群を克服するには、完璧を求めないようにしましょう。インポスター症候群の人は何事にも完璧を求めてしまう傾向にあります。思い描いている成功している自分像と、今の自信を持てない現実の自分とを比べてギャップに悩まされてしまいがちです。そのため、完璧にしなければという思考に陥ってしまう人も少なくありません。自分だけでなく他の人にも求めてトラブルに発展してしまう可能性もあるため、自分にも周りにも完璧を求めないようにしましょう。

ついて行きたいと思う人の近くに身を置く

インポスター症候群の克服方法は、ついていきたいと思う人の近くに身を置くことです。インポスター症候群は自分に対して過度な期待や責任を持ってしまうと悪化してしまう傾向にあります。そのため、過度な期待や責任を負わなくていいように自分よりも優秀な人材の中に身を置くという方法がおすすめです。周りの人が優秀であることで、分からない事や不慣れなことは他のメンバーに聞くことができ、サポートを受けられる環境に身を置くことでストレスも減ります。

褒められた時は素直に受け止める

褒められた時は素直に受け止めるようにすることも、インポスター症候群の克服方法です。日本人の傾向として、他人から褒められた時は否定したり謙遜したりする人が多くいます。こういった習慣が身に付いていることで、自分自身を過小評価することに慣れてしまっているため、インポスター症候群を助長してしまっています。褒められた時や評価されたときは、否定するのではなく素直に受け止める事で自分に自信がつきインポスター症候群を克服することが可能です。

小さな目標を達成するごとに自分を褒める

小さな目標を達成するごとに自分を褒めるようにすることで、インポスター症候群を克服することが出来ます。インポスター症候群の人は日頃から自分の評価が低く自己否定をしていることが癖になっているため、自己肯定感が低い人が沢山います。克服するためには、どんな小さなことでも達成できた際は自分を褒めることを習慣づける事が大切です。仕事面だけでなくプライベートでも小さな目標を達成できた際は褒める事を続けることで、自己肯定感を高められます。

インポスター症候群の改善に向けて企業ができること

定期的に1on1を実施する

インポスター症候群の改善に向けて企業が出来る事は、定期的に1on1を実施することです。1対1で時間を取って話をすることで、相手が抱えている不安や悩みを理解することが出来ます。助言や問題を解決する方法を伝えるというやり方もありますが、インポスター症候群の人は自己肯定感が低いため却って逆効果になってしまう可能性もあります。まずは相手の話をしっかりと聞くことに集中することが大切です。しっかりと傾聴することで、事実に基づいた評価を伝える事も出来ます。

ワークショップや研修を実施する

ワークショップや研修を実施することも、インポスター症候群の改善に向けて企業が行えることです。インポスター症候群を改善していくためには、従業員が自己肯定感を高められるようにすることと管理職に対して理解を促進していく事が重要です。自己理解や自己実現を学ぶワークショップや、管理職向けの対話技術を学ぶ研修などの導入が効果的といえます。対象者がポジティブに働くことが出来るように、企業として環境整備を行っていく事が大切です。

まとめ

インポスター症候群を克服して自分を認めてあげよう

インポスター症候群になりやすい人の特徴や、原因・克服方法などについて解説しました。インポスター症候群は今自分が得られている評価は自分の実力ではなく、周りのおかげであり周囲の人を騙しているのではないかと考える心理現象です。インポスター症候群は精神疾患ではありませんが、放置してしまうとうつ病に繋がりかねないため対応が必要です。インポスター症候群を予防するには、周りの人との関係性やしっかりと話を聞いて相手を理解することが重要です。インポスター症候群を克服して自分を認めてあげましょう。

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